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 ぶらり歩き  
 2.境川を歩く (8)                               平成14年8月10日
 先週は曇り空で暑さを多少軽減してくれたが、今朝は6時10分に家を出て境川橋に向かうが、それだけで汗が滲み出てくる。川筋を見渡すと、太陽が低いこともあり、日陰となっている東方向に当たる境川左岸を歩く。強い陽射しに曝されるのは覚悟の上であるが、川下から吹き上げる川風が心地よい。また、先週は目にしなかった赤とんぼが手を伸ばせば届きそうところを群れ飛んでいる。8日が立秋であったので、暑いといいながらも暦の上では、もう秋である。

 本日の最初の檜橋を過ぎてしばらく行くと、鴨(写真20)が朝の運動なのか川面で羽を羽ばたかせていた。こういう場面に出くわすともっとズームの効いたデジカメが欲しくなる。前回の境川歩きでも見かけたが、境川は鴨等の鳥にとっては貴重な生息場となっているようである。

 境川の左岸を進み、町田駅の手前にある森野交差点のところに、日蓮宗大本山・池上本門寺の末寺で、応永2年(1395年)に日顕上人の創草といわれている妙延寺(写真21)がある。新編武蔵風土記稿にも記載される古寺で、日蓮宗の寺の例にもれず題目塔がある。先週訪ねた鹿島神社は新編相模国風土記稿に記載があるので相模国に属すことになり、両風土記稿は江戸時代後期に編纂されているので、この辺りの境川は江戸時代には武蔵国と相模国の境界をなしていたことになる。7時を過ぎたばかりで、朝の掃除でも始めるのか、本堂の雨戸を開けている僧と目が会い会釈を交わす。 

 森野橋を過ぎ、榎堂橋を渡って右岸に出る。繁華街の町田市内に入ったため、人、車の往来の便を考えてのことと思うが、短い間隔で多くの橋が架かっている。下森橋の橋下を覗くと、ここまで黒の鯉がほとんどであったが、珍しく赤い鯉(写真22)が目に入る。しかし、そのすぐそばの岸には橋から投げ捨てたものか、壊れた自転車が残骸を晒していた。永遠の自然と有限な物質文明がもたらした環境破壊の対比ともいえる光景である。

 
 
写真20(境川の鴨)
 
写真21(妙延寺)
 
写真22(境川の赤い鯉と廃棄自転車)

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